2022.09.07

強酸性洗浄液とは?金属の洗浄方法や、洗浄液の種類と特徴を徹底解説!

Flange pipe

熱交換器を始めとする各種金属製装置は運転中に必ず汚れが発生します。これを放置すると故障の原因になるため、汚れが発生した都度あるいは汚れ発生を防止するための定期的洗浄が必要になります。

この記事では金属の洗浄法と、金属洗浄液の種類や特徴等を解説します。

金属の洗浄法

いわゆる金属の「工業洗浄」は、金属に付着している汚れの種類によりその方法が異なります。主に次の方法があります。

洗浄剤で汚れを剥ぎ取る

苛性ソーダ・炭酸ソーダ塩、界面活性剤、乳化洗浄剤などで金属に付着した汚れを金属から浮き上がらせ、剥ぎ取る方法です。洗浄効率を上げるため、洗浄剤を温めて金属から浮き上がりやすくする、金属からの剥ぎ取り手作業を省力化するため脱脂液で洗うなどの方法を併用するのが一般的です。

有機溶剤で油脂を溶かす

石油系、コールタール系、アルコール系などの有機溶剤で金属に付着した油脂を溶かす方法です。この方法では溶剤脱脂装置の槽に油脂が付着した金属を漬け、溶剤を蒸気化した「気相脱脂」、溶剤を液状化した「液相脱脂」、あるいは両者併用で脱脂するのが一般的です。

化学反応で汚れを溶解する

金属の表面に染み出た錆を化学反応で溶解する方法です。酸が酸化物を分解する原理を応用した洗浄法で、工業洗浄では強酸性洗浄液を用いるのが一般的です。

金属洗浄液の種類と特徴

洗浄液は「水系」、「準水系」、「非水系」の3種類に大別できます。このうち熱交換器を始めとする金属の工業洗浄には水系洗浄液を用いるのが一般的です。水系洗浄液には次の3種類があります。

強アルカリ性洗浄液

油汚れを加水分解し、酸とアルコールに変えるのが特徴です。このため切削油、加工油、研磨・切削粉、カーボンなどの固形物の除去に適しています。低コストで脱脂力に優れているのがメリットと言えます。反面、洗浄・汚染物質を除去するための排水処理・乾燥設備が必要で、そのための整備投資を要するのがデメリットと言えます。

中性洗浄液

強アルカリ性洗浄液に比べ、金属腐食が起きにくいので精密部品の洗浄に適しています。また油汚れが落ちやすく、安全性が高いのがメリットと言えます。反面洗浄の用途が限定されるのがデメリットと言えます。

強酸性洗浄液

金属表面の錆、スケール(金属パイプの内壁に固着したカルシウム・マグネシウム)、酸化膜などの除去に適しています。錆は金属の酸化、スケールは水の含有物であるカルシウム・マグネシウムが他の物質と融合して発生するので、酸性洗浄液で洗うと化学反応を起こして溶解します。特に熱交換器の内部はスケールが堆積しやすく、アルカリ性や中性の洗浄液では除去不可能です。物理的方法による除去も不可能です。反面、洗浄後は残った洗浄液で金属が腐食しないよう十分に水洗いする、皮膚に直接触れるとその部分が火傷するので取扱いについては十分な安全対策が必要などの手間がかかるのがデメリットと言えます。

強酸性洗浄液の特徴と用途

ここでは強酸性洗浄液の例としてダイナミックデスケーラーを例に、特徴と用途をご紹介します。

ダイナミックデスケーラーとは

ダイナミックデスケーラーは、pH1と言う極めて酸性の強い金属洗浄液にも関わらず、独自開発の添加剤混合により取り扱いに厳重な注意が必要な強酸性洗浄液のデメリットを解消しています。このため取扱いの安全性が優れており、金属の工業洗浄に幅広く採用されています。ちなみに強酸性金属洗浄液の類似製品と異なり、皮膚に触れてもその場で直ちに水洗いすれば火傷の恐れはありません。

また洗浄力が強酸性金属洗浄液の類似製品よりスケールの溶解時間が5倍速く、金属腐食も類似製品の25%程度に止まります。加えて独自の添加剤混合により生分解性を実現しているので、洗浄後に汚染物質を除去するための排水処理設備も不要です。

関連ページ:ダイナミックデスケーラー(スケール除去液)商品紹介

ダイナミックデスケーラーの特徴

ここではダイナミックダイナミックデスケーラーの3大特徴を紹介します。

安全性ː火傷のリスクが低い強酸性洗浄液

pH1の強酸性洗浄液の危険から作業者の安全を担保するため、独自開発の添加剤混合により強酸性の火傷リスクを極小化。仮に素手で触れ場合はその場で直ちに水洗いすれば、火傷を防止できます。

処理速度ː世界最速のスケール溶解

従来の強酸性洗浄液の欠点である処理速度の遅さを大幅に短縮しました。例えば船底に付着した貝殻をわずか5分で溶解するなど、類似製品に比べスケールの溶解時間5倍速を達成。これにより洗浄作業時間とコストの大幅削減が可能です。

作業の簡潔性ː金属洗浄は2回で完了

類似製品の場合、金属表面の不導体皮膜を剥離してしまうため、洗浄後は金属表面にトリートメント剤を塗布し、不導体被膜を再形成する必要がありました。さらに洗浄後の中和としてアルカリ性洗浄液で再洗浄する必要も。しかしダイナミックデスケーラーの金属腐食率は類似製品に比べ25%程度なので、洗浄後に水を強制循環させるだけで溶解したスケールと残りの洗浄液の除去が可能。したがって洗浄は2(洗浄液+水洗い)で作業が終了します。

ダイナミックデスケーラーの主な用途

ここではダイナミックダイナミックデスケーラーの主な用途を紹介します。

多管式熱交換器の洗浄

多管式熱交換器の場合、チューブは取り出して高圧洗浄できますが、チューブを内蔵する胴体は装置に固定されているので洗浄が極めて困難になっています。しかしダイナミックデスケーラーを使えば優れた洗浄力と速度で胴体の洗浄も容易です。さらに中和剤による再洗浄も不要なので、洗浄作業の時間短縮とコスト削減も可能なのが魅力と言えるでしょう。

プレート式熱交換器の洗浄

プレート式熱交換器のプレートに用いられるステンレスやチタンの薄板は、強酸性洗浄液による腐食が発生しやすい部品の1つです。さらにプレート式熱交換器は、標準設計時より圧力損失値が高い構造なので、内部の汚れが付着すると圧力損失値が上昇し、ポンプ負荷が急上昇するリスクもあります。このような問題に対し、ダイナミックデスケーラーは優れた洗浄力、速度、金属低腐食率で洗浄を容易にし、装置全体の負荷も極小化します。

銅ブレージングプレート式熱交換器の洗浄

銅ブレージングプレート式熱交換器は、一般的な強酸性洗浄液を使うと長時間の洗浄で銅を溶解してしまうため、従来は洗浄が不可能でした。しかしダイナミックデスケーラーの開発により洗浄が可能になりました。さらに「MDI-CIP洗浄装置」により銅ブレージングプレート式熱交換器の洗浄時の圧力損失・流量の計測ができるので、洗浄効果の確認も可能です。

銅チューブの洗浄

銅チューブは冷却装置、ビル空調設備などの不可欠部品になっています。ところが一般的な強酸性洗浄液の場合、金属腐食を減らすため10倍希釈で洗浄するとスケールを除去できず、腐食だけが残るなどの問題があり、従来は洗浄が不可能でした。しかしダイナミックデスケーラーの開発により銅チューブの洗浄が可能になり、経年運転でチューブ内に堆積したスケールを短時間で除去できます。銅チューブの洗浄おいて、現在はビルメンテナンス会社の多くが採用しているようです。

冷却塔の洗浄

水を大量に蒸発させる冷却搭の場合、内部の充填物付近に多量のスケールが堆積します。そしてスケール堆積により気液接触通路が閉塞し、冷却塔の性能が著しく低下します。このため従来は、冷却塔の内部に足場を組み、手作業によるスケールの掻き出し、スケール除去後の冷却塔乾燥、足場撤去など、大掛かりで工期も長いスケール除去工事が必要でした。危険作業も伴っていました。しかしダイナミックデスケーラーを使用すれば、冷却塔の天辺からダイナミックスケーラーをシャワーした後、水洗用のシャワーをするだけでスケール除去が可能なので、足場の組立と足場の上での危険作業が不要になります。

工作機械の冷却系配管の洗浄

冷却用配管が機械の隅々まで張り巡らされている工作機械の場合、従来は配管内の汚れを除去するためジェット洗浄が用いられていました。しかしこの方法では通常の水圧による水噴射では配管が曲がっている個所の汚れを除去できない、同個所の汚れを除去するため水圧を上げると配管が痛むなどの問題がありました。しかしダイナミックデスケーラーを使えばジェット洗浄は不要。普通に洗浄液を配管内に注入するだけで配管内の隅々まで洗浄液が染みわたり、汚れを除去します。その後は通常水圧の水噴射で洗浄作業が完了します。

関連ページ:熱交換器とは何か?その基本的な仕組みと種類を紹介

関連ページ:プレート式熱交換器の仕組み

まとめ

金属は状況にあわせ適切に洗浄する必要があり、その際に使用するのが洗浄剤や有機溶剤などとなっています。

そして「従来の強酸性洗浄液の常識を覆した」と言われるダイナミックデスケーラーは現在、様々な熱交換器や冷却系装置を設置している現場で使用されています。また定期的な検査でその洗浄効果を測定するなど、ベンダのアフターフォローも万全です。製品自体の性能に加え、ベンダのきめ細かいアフターフォローもダイナミックデスケーラーがユーザの信頼を得ている理由と言えます。

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