熱交換器の仕組みと種類

気体も液体も固体も熱を持っており、その熱が移動することで温度の変化が生じます。熱の移動は自然に起こりますが、意図的に起こすことで温度を調整するのが熱交換器です。ここでは熱交換器について説明していきます。
目次
熱交換器とは
温度の異なる流体が触れ合っていると、温度が高い方は冷やされて温度が低い方は温められるでしょう。触れ合っている流体の温度は次第に均一になっていきますが、温度が高い方の流体から、低い方の流体へ熱が移動しています。この性質を上手く利用しているのが熱交換器です。
例えばチューブに熱いお湯を通すと、チューブ内の空気が暖められます。逆にチューブに通した熱いお湯は、空気に触れて温度が下がります。この場合の熱いお湯のように、他の流体を温める役割を果たす流体を熱媒と呼びます。一方で、空気のように温められる側の流体は冷媒です。冷媒は熱媒を冷やしていると捉えることもできます。
熱交換器が使われている身近なものとしては、エアコンが挙げられます。エアコンは室内機と室外機の両方の熱交換器を利用する仕組みになっており、両方は冷媒管でつながっています。冷媒管には冷媒と言われる熱を運ぶガスが入っています。この冷媒を熱交換器に通すことで室内の熱を放出させたり、室外の熱を取り込んだりし、エアコンの温度調節がされるのです。他に、冷蔵庫や冷凍庫、オイルヒーターなども熱交換器を利用した電化製品の代表例です。
熱交換器の種類
熱交換器は大きく3つの種類に分けられます。
プレート式熱交換器
プレート式は凹凸のある金属製の板を使用しているタイプです。板を何枚も重ね合わせて熱媒と冷媒を交互に通します。そうすることで、熱媒から冷媒へ熱を移動させる仕組みです。
シェル&チューブ式熱交換器
シェル&チューブ式は、1本の太いシェルの中に、細いチューブを複数通した構造をしています。シェルに熱媒を入れて、チューブに冷媒を入れれば、温度差が生じるので熱が移動するでしょう。流体そのものはシェルとチューブの間を行き来することはできないため、混ざってしまうこともありません。
フィンチューブ式熱交換器
フィンチューブ式はシェル&チューブ式に伝熱板を取り付けたものです。基本的な構造はシェル&チューブ式と同じですが、伝熱板があることで、熱が効率よく移動するようになっています。
まとめ
熱交換器は、温度を調整するのに欠かせない装置です。エアコンや冷蔵庫など温度調整機能のある電化製品には、必ず熱交換器が使われています。もし温度調整が上手くいかなくなったときには、熱交換器の故障を疑ってみましょう。