2020.08.13

アルカリ洗浄液とは?特徴と扱う上での注意点を解説

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油を使用する設備の洗浄を行うときには、アルカリ洗浄液を使用すると、汚れを綺麗に落とせます。しかし、アルカリ洗浄液を扱う際には注意すべき点も多いです。ここではアルカリ洗浄液の特徴や取り扱い上の注意点について解説していきます。

 

アルカリ洗浄液とは

アルカリ洗浄液とは、その名の通りアルカリ性の洗浄液(洗剤)のことです。

一般家庭で掃除をするときなどには、ほとんどの汚れに対してアルカリ洗浄液が使えます。

市販されている家庭用洗浄液は、中性か弱アルカリ性のものがほとんどです。中性洗浄液は、主にPHが7から8くらいまでのものを指します。弱アルカリ性は8から11くらいまでです。

 

アルカリ洗浄液の特徴と用途

アルカリ洗浄液は、油汚れやタンパク質汚れなど、主に酸性の汚れに対して効果を発揮するのが特徴です。

汚れの程度が軽いものや普段の掃除などで洗浄液を使用するなら、中性洗浄液でも問題ありません。キッチンのしつこい油汚れなどは、弱アルカリ性の洗浄液が適しています。こびりついた油汚れは、中性洗浄液ではなかなか落とせませんが、アルカリ洗浄液を使用すれば比較的簡単に落とせます。

家庭用の洗剤だと、食器用洗剤など弱アルカリ性と謳っているものをよく見かけます。飲食店などでもアルカリ洗浄液をよく使用していますが、業務用の場合にはアルカリ性がやや強めであることが多いです。食器や調理器具などの汚れは油汚れとタンパク質汚れがほとんどであるため、アルカリ洗浄液で綺麗に落とせます。

工場で使われる機械にはしつこい油汚れが付着しやすいため、洗浄の際にアルカリ洗浄液が活躍することが多いです。ただし、アルカリ洗浄液は全ての汚れに万能ではありません。水垢や尿石、サビなどの汚れには弱いのがデメリットです。また、アルカリ洗浄液はアルミニウムを溶かす性質もあります。そのため、アルミニウム製の器具などの洗浄には使えないのも難点ですが、アルミニウムにも使える洗浄液「ダイナミックGC-S」もあります。

関連ページ:ダイナミックGC-S商品詳細

 

汚れに合った洗浄液を選ぶ

アルカリ洗浄液は、一般家庭での掃除から工場設備の洗浄まで幅広く使用されています。ただし、アルカリ洗浄液と一口で言っても、その種類は多種多様であり、汚れに合った洗浄液を使う必要があります。

アルカリ洗浄液を使用する際に、なるべくアルカリ性の度合いが強いものを使用したほうがキレイに汚れを落とすことが出来ると思う方もいるでしょう。しかし、アルカリ性の度合いが強いと、洗浄力が強いだけでなく、素材を傷めやすいなどのデメリットもあります。危険度も高めで、肌に触れた場合の影響も大きいです。一般家庭用の場合は、そこまで危険ではありませんが、なるべくゴム手袋を着用して扱うようにしましょう。中性洗浄液で落とせる汚れなら、なるべく中性洗浄液を使用するのが望ましいです。

また、工場などで設備の洗浄をする際には、PH11以上の業務用アルカリ洗浄液でないと、汚れを十分に落とせないこともあります。危険度も高く、肌に触れると火傷することもあるため、取り扱いの際には十分に注意しましょう。

 

アルカリ洗浄液を取り扱う上で注意すべきこと

人間の皮膚はタンパク質でできています。そのため、アルカリ洗浄液の影響を受けやすいという点に注意しましょう。アルカリ洗浄液を扱う際には、できるだけ素手で触れないようにするのが望ましいです。

特に業務用のアルカリ洗浄液の中には強アルカリ性のものもあります。アルカリ性の度合いはPHという数値で表され、その数値が高いほどアルカリ性が強いです。PHは最大で14までですが、11以上だと強アルカリ性だと捉えておいていいでしょう。8以上11未満であれば弱アルカリ性です。PH7の場合には中性を示し、それよりも小さい数値だと酸性を示します。

強アルカリ性のものを素手で触れると皮膚が溶けることもあるため、充分注意して慎重に扱わなければなりません。もし、誤って素手で触れてしまった場合には、すぐに水で洗い流しましょう。これだけ強力な洗浄液であるため、環境や安全を考慮し、使用が制限されることもあります。

 

 

業務用アルカリ洗浄液と家庭用洗剤との違い

工場で使われる業務用アルカリ洗浄液は、グリスや工業油なでのしつこい油汚れも簡単に落とすことができます。一般家庭用の洗剤と何が違うのか気になる人も多いでしょう。ここでは家庭用洗剤と業務用アルカリ洗浄液の違いについて説明していきます。

 

アルカリ性洗浄液の強度の違い

一般家庭用洗剤は、どんな人が使う時も保管する時も安全に取扱いが出来る様に、中性または弱アルカリ性のものがほとんどです。Phの値で言うと、7から11くらいまでの間に収まります。アルカリ性の強度が弱いと、洗浄力もあまり強くありませんが、それだけ安全性が重視されています。素手で触っても特に問題はなく、注意事項を確認しておけば、素材を傷めてしまうようなこともほとんどありません。

これに対して、業務用アルカリ洗浄液は、工業用とも位置付けられるアルカリ性の強度の点で家庭用洗剤との大きく異なります。Phの値は11以上のものがほとんどで、強アルカリと呼ばれる部類に入り、洗浄力が強力です。そのため、家庭用洗剤では対処するのが難しいような汚れを落とすときに使用します。

ただ、その一方で業務用アルカリ洗浄液は危険度も高いため、取り扱いや保管には注意が必要です。素手で触ると火傷などの危険性が高いため、使用の際にはゴム手袋や防護服を絶対に着用しなければなりません。また、使い方によっては素材を傷めてしまう可能性もあります。

 

家庭用洗剤と業務用洗浄液では扱い方が異なる

家庭用洗剤を使用するときには、そのまま汚れている箇所にかけたりスポンジに含ませたりするのが一般的です。しつこい汚れに対しては、洗剤を多く使用したり、擦る力を強くしたりして対応します。

これに対して、業務用アルカリ洗浄液は、用途に応じて希釈して使用するものがほとんどです。希釈すると濃度が薄くなり、アルカリ性の度合いが多少弱まりますが、多くの場合はそれでもなお強アルカリ性のままです。素材を傷めてしまわないかを事前に検証し、汚れや素材の化学的性質を考慮して希釈度合いを決めます。メーカーの専門知識に頼る必要があるため、誰でも簡単に業務用のアルカリ洗浄液を扱うのは通常難しいでしょう。

 

 

まとめ

アルカリ洗浄液のうち、洗浄力が強いものは素材や肌への影響も大きいため、汚れの度合いに合わせて選ぶようにしましょう。一般家庭の掃除なら、中性洗浄液でたいてい間に合います。しつこい汚れは、弱アルカリ性の洗浄液を使いましょう。

アルカリ洗浄液は、油汚れやタンパク質汚れを落とす際に、その効果を発揮します。ただし、水垢や尿石、サビなどの汚れとは相性があまり良くありません。また、強アルカリ性の場合には危険度も高いため、取り扱いには十分注意しましょう。

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