2021.11.15

熱交換器周辺に使用される機器

Flange pipe2

熱交換器周辺には、様々な機器が使われています。熱交換器で処理した熱を効果的に利用するためには、本体だけでなく周辺機器が果たす役割も重要です。そのため熱交換器を使用する際に、どのような周辺機器が使われているのか事前に知っておくといいでしょう。

ここでは、熱交換器で使用されている主な周辺機器についてご紹介していきます。

ポンプ/ファン

熱交換器は流体を使用して熱を交換する仕組みですが、その流体が水の場合はポンプ、気体の場合はファンを使用して流体を流します。ポンプやファンで流体を押し出す/引っ張ることで、熱交換器内を流体が流れます。

ポンプやファンの押し出す/引っ張る力が弱いと、配管や熱交換器内壁と流体との間に生じる抵抗に負けてしまいます。そうなると流体を安定的に流すことができないため、十分な流量を得ることができずに、熱交換器の能力を発揮できません。基本的に大きなポンプやファンは、大きくなるにつれて、押し出す/引っ張る力も強くなります。

一方で抵抗は、流体の種類や配管の長さ、熱交換器内部の形状や流体の流れ方などによって変わります。システム全体の抵抗が大きい場合には、熱交換器本体よりも大きなポンプやファンを使用する場合もあります。また、ポンプやファンは電力で動かすため、省エネ観点から熱交換器を使用するなら、できるだけ抵抗を小さく抑えて、ポンプやファンも小さめのものを使用するのが望ましいです。

弁(バルブ)

弁というのは、流体の流れを制御するための周辺機器です。バルブとも呼ばれます。弁が付いているところに流体が来たときに、必要に応じて止めたり流れを制限したりすることが可能です。熱交換器周辺では、主に次のような弁が使われています。

スチームトラップ

スチームトラップは、ドレンと空気だけを排出し、蒸気を外に漏らさないようにするために使用される周辺機器です。内蔵エアベントで開閉できる弁とフロートで塞がれている弁が付いています。

空気がスチームトラップ内に流入すると、内蔵エアベントを開弁する仕組みです。ドレンが流入した場合には、フロートが浮くことで塞がれていた弁が開かれます。蒸気が流入すると、内蔵エアベントは閉弁してフロートも沈むので、弁口が塞がり、流れが止まります。

安全弁・逃し弁

水は加熱されて温度が上昇すると水蒸気になり、体積も膨張します。熱交換器の内部で、これが起こると、内側から大きな圧力がかかり危険です。安全弁や逃し弁はそのようなことが起こらないように使用されます。

減圧弁

減圧弁は、水蒸気やガスなどの圧力を一定に保つために使用される弁のことです。圧力が高くなりすぎたときに、減圧してから調整されます。

まとめ

熱交換器は、周辺機器によって流体の流れが制御されているからこそ、熱を移動させることができます。それぞれの周辺機器がどのような役割を果たしているのか、認識しておきましょう。

 

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