赤水の原因とは?設備に与える影響や発生時の対処法を解説

工場や設備の配管から赤く濁った水が出る「赤水」が発生すると、原因の特定や適切な対策が必要になります。特に設備管理を担当する場合は、水質や使用環境の問題も気になるでしょう。
この記事では、赤水の概要・原因・対処法などを解説します。赤水が発生するメカニズムを把握したうえで、配管設備の情報を集めることで根本的な原因の究明に役立ちます。
目次
赤水とは
赤水とは、水道や設備の配管から赤く濁った水が排出される現象のことです。一般家庭の水道だけでなく、井戸水や工場設備・工業用水の配管からも発生する場合があります。通常と異なる赤色の水が出てくると、使用する際の品質や設備への影響が気になり、不安に感じることもあるでしょう。
以下では、赤水の発生原因や設備への影響、対処法を解説します。工場設備の管理上、赤水に悩んでいる場合は、原因を突き止めたうえで適切な対処法を取りましょう。
赤水の原因となる赤さびとは
赤水の主な原因は、水道管など給水ルートで発生する「赤さび」です。赤さびとは、空気中・水中の酸素に鉄が触れて、酸化による腐食が進んだことで生じるさびの現象です。
赤さびは進行すると剥がれやすい性質があります。水道管の場合は、水が通る部分の内壁に赤さびが発生することで、運搬される水の中に赤さびの粒子が混入し、にごった色の赤水として排出されます。
さびの種類には、その他に「黒さび」も存在します。黒さびは、鉄の表面に形成される黒色の酸化物です。条件によっては緻密な皮膜として形成され、鉄の内部の腐食を抑える働きをする場合があります。
ただし、黒さびの発生条件は温度・水質・酸素濃度などによって異なります。なお、本記事では、主に赤さびによって発生する赤水を取り上げます。
赤さびが発生する主な原因
赤さびの発生には、設備や配管の状態、水質など、さまざまな要因が関係します。設備の稼働条件によって徐々に赤さびが形成され、赤水として出てくるまでの流れとメカニズムを把握しましょう。
配管の腐食
酸素にさらされた水道管や鉄管が酸化して腐食すると、内壁に赤さびが形成されやすくなります。長期間にわたって使用され続けた配管内部は、空気や水に含まれる酸素と触れ合うことで、徐々に赤さびの定着が進行していきます。
腐食が発生しやすい設備の例は、老朽化が進んだ家庭用水道や、工場・施設で用いる配管などです。腐食して赤さびがこびりついた状態の配管に水を通すと、赤さびの微細な粒子が混ざりこみ、着色した赤水として排出される場合があります。
水質や使用環境の違い
井戸水や工業用水などは、水源や処理方法によって水質が異なり、条件次第では配管の腐食に影響を与える場合があります。例えば、pHや溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度などの水質条件は、配管材質や使用環境によって腐食の進み方に影響します。
また、配管自体の使用環境も赤さびの形成しやすさに影響する場合があります。稼働する頻度が低く、赤さびがすでに定着した状態の配管にいきなり多量の水が供給されると、内壁からさびが剥離して水に混入し、赤水として排出されるケースが想定されます。
赤水による影響
赤水は、見た目の印象だけでなく設備や水質にも影響を及ぼします。赤水が確認された場合、配管内部で腐食やさびの堆積が進んでいることも考えられます。放置すると、設備や配管への影響が大きくなる可能性があります。
設備や配管への影響
配管内部で腐食や赤さびの発生が進むと、さび粒子が配管内部や機器に堆積することがあります。堆積物によって流路が狭くなると、流量の低下や機器の性能低下につながるケースも少なくありません。そのため、赤水が確認された場合は、配管や設備の状態を確認し、腐食やさびの発生状況を把握することが重要です。
水質への影響
赤水が出る設備環境では、水質にも影響が生じます。赤水による影響は、水の用途によって異なるため、飲用水と工業用水に分けて考える必要があります。
例えば飲用水の場合、人体への影響は水質や含まれる成分などによって異なるため、一概には判断できません。一方、工業用水の場合は使用する設備や工程によって求められる水質が異なるため、赤水が製品品質や機器へ与える影響を確認する必要があります。
そのため、国が定める水質基準や専門機関の情報を参考にしながら、赤水の原因を確認したうえで、適切な水質検査や設備点検を進めることが大切です。
赤水への対処法
赤水が発生した場合の対処法を2つの側面から紹介します。応急処置的な対応だけでなく、発生原因の究明と対処によって、根本的な原因を取り除くことが大切です。設備環境によっても適切な対応策は異なります。
原因を特定して適切な対策を行う
赤水に対処するために押さえておきたいポイントは、原因を正確に特定したうえで、根本的な解決につながる対策を行うことです。配管に付着していた赤さびを取り除くだけで終わらせるなど、一時的な対処方法だけでは直接の原因を解決できず、再び赤水が発生する可能性があるでしょう。
具体的には、以下の情報を収集して原因の究明に役立てることをおすすめします。
- 配管に用いている材質
- 配管の腐食状況
- 赤水の水質
- 設備の運転状況
これらの情報が分かれば、赤水の発生原因を突き止めやすくなります。供給する水質や配管の状態など、原因そのものは状況に応じてそれぞれ異なるでしょう。その原因に合わせて、水質分析や設備点検などの適切な対応策に踏み切ることが問題解決につながります。
マルチサイクロンとろ過器を組み合わせて赤水対策を行う
赤水対策では、水中に浮遊するさび粒子や異物を除去する方法として、ろ過器が活用されます。水中のさび粒子を除去することで水質改善に役立ちますが、配管の腐食そのものや溶解した鉄への対策には、原因に応じた設備点検や補修などを併せて検討することが重要です。
設備や水質の状況によっては、マルチサイクロンとろ過器を組み合わせた二段階の処理を行う方法もあります。まず、マルチサイクロンによって比較的大きな異物や砂を除去し、その後、ろ過器で微細な異物や赤水の原因となるさび粒子を除去します。
以下のMDI製品は、マルチサイクロンとの組み合わせによる赤水対策が可能なグラスパールろ過器です。一例としてご覧ください。
関連記事:ろ過器の仕組みと役割
関連製品:WATERCO製 グラスパールろ過器
まとめ
この記事では、赤水の原因や設備への影響、対処法について解説しました。赤水は、配管内部の腐食や赤さびの発生によって起こることが多く、腐食やさびの堆積が進むと設備性能の低下につながる可能性があります。そのため、赤水が確認された場合は、原因を調査したうえで適切な対策を講じることが重要です。
赤水対策では、設備や水質の状況に応じた対応が求められます。マルチサイクロンとグラスパールろ過器を組み合わせた異物除去も一つの方法ですが、必要に応じて設備点検や配管の補修なども併せて検討し、自社設備に適した対策を進めましょう。

