2021.03.30

ろ過器はメンテナンスが必要?

GPF-MC

ろ過器は様々な種類のろ材の層に水を通して不純物を取り除くという仕組みから、電気などのエネルギーを使いません。化学変化も起こさないことから、危険も少なく扱いやすいでしょう。しかし、それでも定期的なメンテナンスは必要です。ここでは、ろ過器のメンテナンスについて解説していきます。

 

メンテナンスをしないとどうなるのか

ろ過器で水を処理すると汚れが除去されますが、汚れの元となる不純物がろ材の内側に溜まります。メンテナンスをしないでろ過器を使い続けていると、不純物がどんどん蓄積していくでしょう。ろ材が汚染されて汚れを十分に除去することができず、処理水の水質が悪化する可能性があります。

ろ材に少し汚れが付着したくらいだと、顕微鏡で見てみないと確認できません。しかし汚れの蓄積がひどくなると、処理水の濁りなどから、正常に処理できていないのが分かる場合もあります。また、ろ材が目詰まりを起こしてスムーズにろ過が進まなくなることも多いです。

ろ材の汚れを早期に発見するには、定期的に水質検査などを実施するのが望ましいでしょう。そして、水質が悪化しているようであれば、メンテナンスが必要です。

 

 

ろ過器の目詰まりの兆候

ろ過器は、エネルギーをほとんど消費せずに使用できる優れた装置です。工場などでは水から不純物を取り除くために、ろ過器を使用しているところもあるでしょう。ただ、ろ過器が目詰まりを起こしてしまうこともあるかもしれません。

ろ過器が目詰まりを起こしているときには、次のような兆候が現れます。

 

流量が減っている

ろ過器はフィルターが備え付けられており、そのフィルターには非常に細かな孔が付いています。水だけ孔を通過することができて、ゴミや汚れなどの不純物は孔を通過できず引っかかることで取り除かれる仕組みです。

引っかかった不純物は、フィルターの内側に少しずつ溜まっていきます。そうすると、孔が塞がれるため、水が通過しにくくなるでしょう。目詰まりを起こすくらいになると、見た目で分かるくらいに流量が減ってしまいます。

 

ろ過後の水があまり綺麗になっていない

フィルターが目詰まりを起こした状態だと、水がフィルターを通過する際に大量のゴミや汚れに触れています。その中には細菌などの微細な汚れもあり、それが水と一緒に孔を通過してしまうこともあるため、ろ過後でも水が汚いままになるのです。

 

 

ろ過器のメンテナンス方法

ろ過器のメンテナンスは、ろ材の洗浄や交換などの方法で行います。洗浄のやり方でよく行われているのは逆洗という方法です。ろ過器を使用するときに水を通すのと、逆の方向から水を通します。そうすることで、目詰まりを起こす原因となっていた不純物をある程度は取り除けます。

しかし、ろ材の汚れや劣化の度合いによっては、逆洗だけでは十分にきれいにできないことも多いです。そのため、ろ材が目詰まりを起こすなど劣化が目立つようになってきたら、ろ材を新しいものに交換しなければなりません。ろ材は消耗品捉えておきましょう。

また、ろ材が寿命を迎えるくらいだと、配管にも汚れが蓄積していたり雑菌が繁殖していたりする可能性が高いです。ろ材を通過した後の水が通る配管が汚れていると、ろ材を通過してきれいになった処理水がまた汚れてしまいます。そのため、ろ材を交換するときには、配管の洗浄も併せて行いましょう。

 

ろ過器について

ろ過を行うときに使用するろ過器には、ろ材(砂、ガラスビーズ等)というものが使用されています。ろ材には非常に小さな孔が付いており、その大きさは液体中に含まれる固体は、孔よりも小さいため、通過する際に引っかかる仕組みです。一方で、液体はその孔を通って行くため、液体と固体が分離されます。

ろ過後の液体はゴミや汚れなどが取り除かれていて綺麗です。そのため、ろ過前の水を原水と呼び、ろ過後の水は処理水と呼びます。

関連ページ:ろ過器の仕組みと役割

 

逆洗で、ろ材の汚れを落とす

ろ過後は、ろ材にゴミや汚れなどが残ります。そのままの状態でろ過器を使い続けるとゴミが堆積して、ろ材の孔が詰まってしまうでしょう。水などの液体もろ材を通れなくなるため、定期的にろ材からゴミや汚れを落とすことが必要です。そこで、ろ材のゴミや汚れを落とす方法として逆洗という洗浄方法をおこないます。

逆洗というのは、ろ材に対して通常の反対側から水を流すことです。そうすると、ろ材に付着した汚れを剥離させることができます。ただし、原水を使用して逆洗を行う場合には、ろ材の反対側に汚れが付着してしまうでしょう。そのため、次のろ過を行う場合には、開始直後の水は捨てなければなりません。反対側に付着した汚れも剥離したら、綺麗な水が出てきます。

汚れ成分が水よりも重たい比重の場合、ろ材の下部に溜り続ける場合があります。この場合、何度逆洗しても下にたまった汚れ成分は排出されません。定期的なろ材交換作業が必要となります。その懸念を無くすアイテムがマルチサイクロンです。

ろ過器の前にマルチサイクロンを取り付けておくことで重たい汚れ成分を事前にキャッチします。マルチサイクロンでは、水の流れの勢いを利用した強い遠心力で水中に含まれる汚れと水を強制分離させることができます。重たい汚れをマルチサイクロンで除去できるので、残りはろ材によるろ過をすることでろ材の上部に堆積した汚れのみを逆洗して排出できます。そうすれば、ろ過器の洗浄がかなり楽になります。

 

 

目詰まり防止の対策

ろ過器の目詰まりを防止するためには、次のような対策が必要です。

 

逆洗を行う

「逆洗」というのは、フィルターの外側から内側に向かって水を流すことです。これにより、フィルターの内側に付着したゴミや汚れを取り除くことができます。定期的な逆洗を行うことで、フィルターを清潔に保ちながら目詰まりを防止できるでしょう。

 

フィルター洗浄

逆洗だけでフィルターを十分に綺麗にできない場合には、フィルターを取り外して洗浄する必要があります。洗浄すれば、フィルターに固着した汚れなども取り除けるでしょう。

 

フィルター交換

ろ過器のフィルターには寿命があります。洗浄しても十分に綺麗にならないようであれば、新しいフィルターへの交換が必要です。また、既に目詰まりを起こしているような場合にも、フィルター交換をした方がいいでしょう。

 

 

まとめ

ろ過器はメンテナンスをしないで使い続けていると、ろ材が劣化して汚れが蓄積してしまいます。配管も気づかないうちに汚れていることが多いです。そのような状態では、ろ過器本来の役割を果たすことはできません。

ろ過器の流量の減少やろ過後の水が綺麗になっていないようなら、目詰まりの可能性が高いです。もし、目詰まりを起こしていたら、早めにフィルターを交換しておきましょう。逆洗やフィルターの洗浄を行うことで、目詰まりを防止し、フィルターの寿命も延ばすことができます。

定期的にろ材の交換や配管の清掃などのメンテナンスを行うようにしましょう。

 

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